体験談

神様の声が聞こえるおばあさんに依存した結果、家族は悲惨な結果に!

あれは・・・そう、三十代半ばの事でした。
修験行者だというおばあさんに出会ったことがきっかけで占いにはまる事になりました。

家を建てるのなら、その女性に家の間取りや方角を相談するよう叔母から紹介されました。それがおばあさんとの出逢いでした。

神様の修行をしたというこのおばあさんは、とにかく神様の声が聞こえてよく当たるということで有名でした。
相談に行っても、多くの人が訪れていた為、なかなか順番がまわってこないほどでした。
評判は遠方から来られる人が来るほどで、とにかくびっくりするぐらいよく当たりました。

また、悩み事に関しても「神様がこういっているよ」と、まるで神様の声が本当に聞こえるようなそぶりを見せていらっしゃいました。
私の亡くなった父がこういっているとか、もっとこうしなければ商売がうまくいかないとか、とにかくよく当たりました。

あまりによくあたるものですから、私たちはその方を尊敬し、おばあさんを先生と呼ぶようになりました。入信するまでそう時間はかかりませんでした。

入信後はとうとう夫は得度をうけて、戒名まで与えられました。
そして修行をはじめました。

月に何度もお日柄の日には修行だということでお山に上がり、修験道の道を歩いたものです。お経もたくさん覚えました。それと同時に商売もどんどん上向きになっていきました。お金もたくさん入ってきました。

何かをしようと考えついたら、必ず先生に相談しました。そうするとなにもかも、うまくいきました。その度に充分なお礼をしました。

とにかくなんでもうまくいくのですから、感謝の印として莫大な寄付をしたものです。それでもそれが当たり前でした。私たちは心の底から感謝していたのです。

商売のことだけでなく、子供のことも相談して決めました。
うまくいきました。子供達の受験もうまくいきましたし、子供達が努力したからだとは、思いませんでした。神様の力だと信じていました。

ある日子供が、「お父さんもお母さんも、いつも神様の先生に聞いて決めるけど、自分で考えられなくなると思う」と言ったのを今でも覚えています。そのときは、「そんなことを言うとバチが当たるよ。」と言って子供を諌めたものです。

ところが、子供の言った通りになったのです。
先生と慕っていた方が、高齢のため亡くなられてしまったのです。

私たちはこれからどうすればいいのか?途方に暮れてしまいました。

あとを継いだ娘さんがいらしたのですが、私たちには好意的ではありませんでした。それまで何度もお礼をし続けてきた事もあり、信者だからお金も要求してこられましたが、修行もなにもしていない娘さんは、まるで神様の声は聞こえてはいないようでした。

相談にいっても、的確な答えがら得られません。やはり当たらないことが、多いと感じ、私たちの心は離れていきました。
それが相手にも伝わるのか、今度は他の信者さんに意地悪をされ始めました。

夫は、神様はわかってくれているからと、今も家で神様を拝みます。

私たちは夫が気の毒で仕方がありません。
夫は商売がうまくいかなくなった今も、神様に助けてもらおうと毎朝拝みます。夫はまだマインドコントロールがとけないようです。

 

人は何かに頼って生きていくものです。

それが我が家の場合、神様と言う名前の教会でした。

少し深く頼りすぎたかもしれません。

皆さんもどうか、占いやまじないにハマりすぎて、自分自身の考える力を失ってしまわないように。

自分の人生は自分で考えて行動して、自分で責任をもって生きていかないといけない。

本当に今はそう思います。